塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

象徴的貧困

昨日の朝日新聞の夕刊に、ベルナール・スティグレール*1の象徴的貧困の話が出ていた。記事を切り抜いて、職場に忘れてきてしまった。情報量の増大、メディアの多様化が、かえって象徴的貧困を生み出すということで、感覚的にとてもよくわかる気がした。一人の人にその記事を見せたところ、メディアはメディアでも話が別のところに飛んでしまった。例の「NHKスペシャル奇跡の詩人」*2の話。いや、そういうメディア・リテラシーの話じゃなかったんですけど…ま、いいか。

あやうい春

今朝は寒気がゆるみ、バスから見る車道脇の雪山も白から泥の色となった。真駒内の雪捨て場の巨大な雪の山も輪郭を緩め、全体はまだ冬景色ながら濃厚に春の気配。空の色も枕草子冒頭のようなやわらぎ。自分はそうではないが、鬱傾向の人が、この時期に自分を損ないたくなるのがとてもよくわかる気がした。それまでは、冬という厳しい世界に緊張しつつ対峙していた生命の殻のようなものが、春の気配によって予想外の綻びを生じ、幼虫のような弱い皮膚があらわれる。そこに危機が出現するのだと思う。(北海道だけかなぁ。)

ジョン・ハッセル

先日、開会式に登場した、ピーター・ゲイブリエルの話をしているうちに、ガブちゃんではなく同時期に聴いていたジョン・ハッセル*1がむしょうに聴きたくなってきた。あのころ友達からもらったハッセルの一本きりのテープを聴きながら「羊をめぐる冒険」かなにかを読んでいた気がする。あの「しゃばしゃば」の水のパーカスと、村上春樹のナラティヴがセットで身体に記憶されているのだ。

*1:といっても、ハッセルが音楽の世界でどういう人なのか私は知らない。

高橋ヨーカイさん

わお。ライヴ会場に行かなくてもヨーカイさんをちょっとだけ見ることができたりする。便利すぎてこわい。(象徴的貧困?)これ、セッティング風景ですか。
http://www.youtube.com/profile_videos?user=kinoco