塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

2018 とりふね東京ライブ覚書 全歌詞

2018とりふね東京ライブ

 

とりふね (vo) with 宇波拓 (g), 遠藤里美 (acc), 山本紗織 (fl), 須川善行 (b), 北山ゆう子 (d)、ゲスト:竹田麻里絵 (p) / 滝沢朋恵

2018年8月4日(土)

会場 神保町試聴室 〒101-0065 東京都千代田区西神田3-8-5 ビル西神田1階

http://shicho.org/s1access/

開場 18:30

開演 19:00

予約 2,500円 (1ドリンク, スナック込)

当日 2,800円 (1ドリンク, スナック込)

 

虫の鼓笛隊(CDではA4〜A5のつなぎに使っている曲。ミュージシャン入場用)

 

既視感の仮面(イントロを長くして、そこで登場)

めまい

アフリカ

テーベ

猫のおどり

ラヴェル・ラ・ラ

ブーガ・ルー(ソロ回し曲)

 

シャンデリア

ワダツミマチ

天使の軍隊

シャドウ

忘却

ことの次第

プリマヴェーラ

 

ヴァルハラの花

わ、また途中で送ってしまいました。「サマータイム」、やるとすると「シャドウ」と「忘却」の間かな。

 

で、アンコールは「メケ・メケ」と「ヴァルハラの花」。

 

 

既視感の仮面

 

仮面をつけた君は

流行のデジャヴュ

鼓膜の破れたあと

きこえるラ・ジャヴァ

深い溝に 暗い謎が

よそ見をしたときちょっと

こぼしたテ・オ・レ

僕をいぢめてよもっと

綺麗なジル・ド・レ

赤い舌と 細い指で

 

* 僕はとってもかわいそうな子供

十字路に立ってる朽ちかけたモニュマン

 

街へ出るのなら待って

横切るシャ・ノワール

不安な予感を蹴って

囁くモナムール

交差点にヒールの音

赤い屋根の上赤い傘でとんでく

悪い夢だと笑ってくれるね

君が好きだなんて性の悪い冗談

いけない子ねと叱ってくれるね

 

 

めまい

 

うす桃色のエスカルパン

どこかにおとしてきた

淋しい冬のおひさま

もてあましぎみの午後

ボタンを外して

あなたの指が滑る

あの部屋の鍵なら

宝石箱の中

宝石箱の鍵は

胸のレェスの隙間

ボタンを外して

あなたの指が滑る

* 悪いことしたようには感じられないの

すこし酔ってタンゴ踊れば

罪の数だけめまい

 

水色の眼のボー・ギャルソン

どこかではぐれてきた

階段の踊り場で

躓いてしまう午後

瞼をかすめて

不思議な予感滑る

*

本当のことはいつも少しいいづらいの

一人きりで一人きりで一人きりで

踊るわ あの曲にあわせ

 

アフリカ 詞・曲とりふね

 

(前奏)Gm F E♭ D♭ Gm F E♭ D♭

 

タマリンドの木 オレンジの砂州 Gm F E♭B♭

ぼくに謎をかけた河 E♭Gm E♭ D

気違いになって道に倒れても Gm F E♭B♭

ぼくを抱いてくれる河 E♭Gm E♭ D

ah… Gm C Gm A♭ Gm C Gm A♭

 

チョウチョの君を捕まえにゆく G F G F

よ G F G F

追いつめられてうんともがいてごG F G F

らん G F G F

オイルのような陽射し浴びて C B♭ C B♭

コイル切れた愛情の A♭…

ミイラ C C C C

 

暗い羊歯とソテツの夢 Gm F E♭B♭

ぼくに傷をつけた君 E♭Gm E♭ D

まちがった答えしか出せないのに Gm F E♭B♭

ぼくに傷をつける君 E♭Gm E♭ D

ah… Gm C Gm A♭ Gm C Gm A♭

 

ケモノの君に殺されにゆくG F G F

よ G F G F

引き裂かれてく自分がいとお G F G F

しい G F G F

タイルのように剥がれ落ちる C B♭ C B♭

ファイルされた細胞のユ A♭…

ウレイ C C C C

 

新しい名前つける仕事 Gm F E♭B♭

小さな声ではじめた E♭Gm E♭ D

極楽の鳥 月の涙 Gm F E♭B♭

ぼくを眠らせてよ河 E♭Gm E♭ D

Ah… Gm C Gm A♭ Gm C Gm A♭

Gm C Gm A♭ Gm C Gm A♭…

 

 

テーベー

 

まどろむ微笑み

まひるのホスピタル

壁にかかった絵が

少しかたむく

調節されてる

動かぬ空気

肺の中には眼のない蜘蛛が

網をはる

何を待っているの

 

まどろむ微笑み

微熱のシラブル

夏の花摘むよに

飲んだカプセル

 

うきうきとあなたを呪い

さやさやと気管をならし

何もないやさしい日々を見送る

 

 

猫のおどり

 

目が醒めたら 真夜中すぎ

額に汗 ふるえる咽喉

おぼえてないせつない夢

よろめく足 ヴェランダまで

何かがいる 気配がする

重い戸をあければ

猫が 猫が 白い猫が

 

* 庭先でおどる 庭先でおどる

青い月の光 柳の枝のよう

ゆれながらまわる ゆれながらまわる

そっと腕をのばす 伝ってゆく夜露

 

触れられぬそのかげ 触れられぬそのかげ

グラディオラスの葉で一筋指をきる

夜つゆに血が混じる 夜つゆに血が混じる

甘い水のように光る虫をさそう

 

沈みがちなプリマドンナ

右眼のない若い兵士

手に手をとり走ってゆく

ゆがんだ柵 よどんだ空

地平線をとびこえれば

しあわせが待ってる

猫が 猫が 白い猫が

*

わたしはもう何も わたしはもう何も

望んだりはしない 求めたりはしない

あなたはもう何も あなたはもう何も

 

 

 

ラヴェル・ラ・ラ

 

アルミの腕が折れて

ジョイントから泪がでる

君の首をへしおって

自転車に乗っけちゃう

愉快なことばかり

考えて過ごしてると

脳みそが飛びだして

幸せになれる

 

* 空は青空 舞い上がる風船は保護色

愛しい君と今日も朝からサイクリング

 

あさってのニュースと

空っぽの牛乳壜

落ちてたんだ 罌粟の花畑

うろたえちゃう僕と君

お弁当をひろげる

缶詰はポークビンズ

テレビジョンのような煌めき

嬉しくて吐きそ

*

素敵な君は眼球に火薬をつめこんで

すでにエクスタシー

今日も夜までサイクリング

 

ブーガ・ルー(ソロ回し曲)

 

シャンデリア

 

* リリリリ シャンデリア

リリリリ シャンデリア

 

洞窟では今宵 喜びの宴が

日輪と見紛う 闇を食らう光

 

アルビノクリケット すきとおる体に

七色の虹さえ浮かんでは翳り

 

** 千年の法悦を刹那にて知る

千年の狂乱を一夜にて尽くす

夢の中の夢の中の夢

嘘の中の真実

*

弛緩する肉体にざわめく魂

黄金の頽廃 吐息を彩り

ゴンドラをおり立つ邪な女神に

くちづけをうければ内臓も火照り

**

 

 

ワダツミマチ

 

「ちょっとそこまで」 置手紙

あの子が出かけた ワダツミマチ

三日たっても 帰らない

夏の気配も途絶えた

 

波打ちぎわに

赤い靴

あの子の屍は

どこにある

雲は往き 海は凪ぎ あの

子の骸はどこにある

 

おひさま集めた 虫眼鏡

けむりを追いかけ ワダツミマチ

あの子のいない四ツの辻

狂ったようにヒグラシ

 

首長竜の灯台

あの子の秘密はどこにある

雲は絶え 風も絶え

あの子の秘密は海の底

 

 

天使の軍隊

 

暁の魔法は終わっちゃった 眠りこけてる君

天使のビスクにひびが入る

花柄のキッチンで ママが食べてるストロベリパイ ラズベリパイ

ラジオでかかってるヨハン・シュトラウス

 

この街の地図は2枚あることを知ってるだろ

知らないはずない

向こう側への回路が開く AM1:00

 

ブリキのピストルで 武装した天使の軍隊

屋上の貯水槽の 上を飛ぶ

 

L’armee des’anges

 

錆びたナイフ 崩れたルージュ

賞味期限とうに切れたヴェネツィア

ラジオでかかってる マーラー・アダージェット

 

花柄のキッチンで ママが食べてる

レモンケイク イエロウケイク

朝から聴きたくない ヨハン・シュトラウス

 

この街の地図は2枚あることを知ってるだろ

知らないはずない

行きたい娘(こ)は約束の場所へ AM1:00

 

ブリキのピストルで 武装した天使の軍隊

屋上の貯水槽の 上を飛ぶ

 

 

シャドウ

逆算しても見つからない

帰り道

断ち切れた車道に吸われる影

シャドウ

世の中の呪いから

生まれたばかりの

こんな僕でよければ

買ってください

映画がはね外に出る

まだそこは

幻のスクリーン

シャドウ

残像によろめいて

恋人を呼べば

うわの空の横顔

夜がはじまる

何度きいても覚えられなかった

ナンバーを

書きつけた手のひら

テーブルにふせれば

シャドウ

世の中の呪いには

二通りあると

言ったあの人の元へ

最後の電話をかける

世の中の呪いから

生まれたばかりの

こんな僕でよければ

買ってください

 

 

SUMMERTIME

 

Summertime, and the livin' is easy

Fish are jumpin' and the cotton is high

Oh, your daddy's rich and your ma is good-lookin'

So hush, little baby, don't you cry

One of these mornings you're gonna rise up singing

And you'll spread your wings and you'll take to the sky

But till that morning, there ain't nothin' can harm you

With daddy and mammy standin' by

 

 

忘却

 

忘却の夏の海が打ち寄せた

見知らぬ人の船

かわいた砂のような輪郭を

光がふちどれば

長い手紙のような吐息

細い夜風のような歩み

窓越しに見る景色は遠すぎて

よそよそしい時間

これからはじめるのは新しい

ルールをもつ遊び

軽く会釈を交わし まるで

古くからの友だちのように

過去の結び目を解き 笑う

昔からのしあわせのように

歌いはじめるあなたの声は

波長をもたない

それをききとるわたしの耳は

耳殻をもたない

砕ける波・岩・船

夢見る鳥・星・空

忘却の夏の海が打ち寄せた

見知らぬ人の船

かわいた砂のような輪郭を

光がふちどれば

 

 

ことの次第

 

Eine wahrcheinlich Kette

Und ein schwarzes Schleirchen

Als Musik und Tanz abbrachen,

Der junge Ehemann lachte

Sein Lockenhaar war zerzaust

Sein Gesicht totenbleich

*Frau ohne Treue, oh Treulose

Oh, falsche Schlange!

 

**Schlage mich,

Tritt mich mit füßen,

Verwünsche mich!

Oder, wenn es wahr ist,

Daß du mich lieb hast,

Noch, nach all Bösen,

Das ich dir getan habe,

Da nimm mich und behalte mich behalte

 

Hinterdrein ist gut reden

Du weißt viel zuwenig

Sieh mich nicht an, tu mir den

Gefallen, laß es das letzte sein

Das zurückgedrängte Blut

Schoß wieder hervor

*

**

Blitze zuck duch das Dunkel

Eine Gewitter zieht auf

Er sehnte sich nach der

Dunkelheit, denn er war müde

Sein Lockenhaar war zerzaust

Sein Gesicht totenbleich

*

**

Was wird mir dafür?

 

 

プリマヴェーラ

 

* プリマヴェーラ

咲いたよ すみれ れんげ

プリマヴェーラ

小川のほとりに立てば

流れる白い雲

草地をわたるあなたの足音

プリマヴェーラ

小馬の背にゆられて

プリマヴェーラ

遠くに耳をすませば

きこえるオルゴール

古い子守歌をうたっている

花を積んだ舟を浮かべて

みつばちの羽音を枕に

あなたの髪のかおりを

かぎながら眠りたい

プリマヴェーラ

小声でささやいたら

プリマヴェーラ

まぶたを閉じてもたれる

あなたの背中から

芽ぶきはじめた春をかんじてた

幸せがわたしの横で

プリマヴェーラ

息をしてる

 

 

メケメケ

 

たそがれどき 港町の 酒場の片隅で

安い酒にくだまいてる クロンボの色男

別れの盃だよ 涙をふいておくれ

かわいいチチ わかってるだろ

俺は海の男だ

メケメケ メケスクセ これきり会えない

メケメケ メケスクセ 達者で暮らしな

 

太い腕に抱かれたまま 泣きじゃくる色女

ブロンドの髪 青い瞳 いやいやをしながら

ねえあんた あたい独り置いてけぼりはいやよ

かわいいトト 行かないでよ あたいは死んじゃうわよ

メケメケ メケスクセ

お気の毒なこったよ

メケメケ つれない 男もいたもの

 

時は過ぎて 汽笛は鳴る 来る時が来ました

男は立つ 女すがる 引きずられながらも

思い出の石だたみ 投げ出される女よ

船を目指し 走る男 叫ぶ女を捨てて

メケメケ 馬鹿野郎

情無しのケチンボ

メケメケ 手切れのお金もくれない

あきらめて帰ろ

やがて月も出る港

ヴァルハラの花

 

秋の空は高い      C C Fm Fm

冷えた雨に磨かれた    C C Fm Fm

髑髏(しゃれこうべ)の眼窩から      Em Em (ラドソ) (ラドソ)

真直(ます)ぐ伸びる茎よ        Em Em Fm G

G G

彼女のことならば        C C Fm Fm

他の男(ひと)に訊いてよ        Em Em Gm A

僕は忘れた         F F Em Em

昨日は遠くだ      G G C C

C C

機械の時間に間に合うよう  Fm Fm Fm Fm

に 走ったよ        Em Em Gm A

君が急に止まるから 僕     Fm Fm Fm Fm

は 転んだんだ    Em Em Em Em

慣性の法則         Dm Dm G G

Fm Fm G G

G G

秋の空は高い      C C Fm Fm

白く冴えて満ち足りる         C C Fm Fm

髑髏(しゃれこうべ)の眼窩から      Em Em (ラドソ) (ラドソ)

真直(ます)ぐ伸びる茎よ        Em Em Fm G

秋の空は高い      C C Fm Fm

まるで死のようだ        Em Em Gm A

紺青に咲く         F F Em Em

天界の花よ         Dm Dm Em Em

今生に咲く         Dm Dm Am Am 

ヴァルハラの花よ        Fm Fm G G

彼女のことを      F F Em Em

知って咲く花よ  Dm Dm Em Em

僕は知らない      F F Em Em

昨日は遠く         G G G G

だ     Fm Fm Fm Fm C