塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

グーグーだって猫である

グーグーだって猫である オリジナルサウンドトラック

グーグーだって猫である オリジナルサウンドトラック

午後、先日映画を観たあとに買った「グーグー」のサントラをリピートしながらおうちで仕事。すべてがここちよいが、なかでも細野晴臣の「アーユルヴェーダ」は最高である。ホソノさんはひとつの宗教である、というくらいすばらしい楽曲。身体の芯から、キモチの芯からふかーくほぐれてゆく。安心する。あの映画の50%以上がはホソノさん(と、デイジーレーベルの人たち)の音楽で成立していたのではないかしら。というくらい。「アーユルヴェーダ」はようつべにはなかったので、こちらも二人の声がよい感じで溶け合っているキョンキョンとのデュエットを貼りつける。

映画の方は、感想を言葉にするとなんだかちがってしまいそうなのだ。よい映画だった。キョンキョンもよかったし、加瀬亮があんなにすてきにみえたのは私ははじめて。大後寿々花もとおってもよかった。そうそう、吉祥寺のまちの描き方も好きでした。


って、これを書いたあとちょこちょことほかのところをみてみると、かなり酷評が多いんだなあ。カメラとか撮影のことはわからないし、たしかにとうとつにへんてこなシーンとか出てくるけれど、あのゆるゆる感は「メゾン・ド・ヒミコ」にもあって、なれていたし、それはそれなりになじんでいたようにも思う。後半突然死の話になって寒い、というむきもあったが(きっと若くて希望に満ちた生活を送っている人なんだろう)、年とってくるとそういうことがわりとあたりまえに周囲にあるわけで、そういうことも違和感なく、というよりはリアリティをもってわたしは見ていたなぁ。犬童一心、たしかに中途半端な感じはありますけれどもねぇ。

たみおのしあわせ

みてから日が立たつけれど書いておこう。タイトルからイメージしていたほのぼのした話ではなく、岩松了の脚本はそうとうキッカイ。ラストには口あんぐり(悪い意味ではない)。映画というより芝居を見ているような気分で楽しんだ。なにせ怪優ぞろいだ。オダジョと原田芳雄のからみを期待していって、まずこのふたりはもちろんよかったが、大竹しのぶのすごみ、小林薫のいんちきくささ。突然出てくるキヨシロー(がんばれ、キヨシロー!!)の浮遊感。さいごにちょっとしか出ないのに、大竹しのぶと同じくらいの重量級の存在感の石田えり。リアルな話ではないのにこの怪優たちでリアルに見せる。芝居っぽいんだけど、ところどころに映画のパロディが。