キッチン・ストーリー

先日DVDで見た「キッチン・ストーリー」の感想。
以前新聞のレビューで見て気になっていたので購入した。
スウェーデンの「家庭研究所」の調査員が
ノルウェーの田舎に住む一人暮らしの老人の
キッチンでの行動を観察しにやってくる。
キッチンに高いイスを据え、朝から晩まで観察する調査員。
コミュニケーションは禁止。

まず設定の奇妙さが私好み。
人物少なくメインは年のいった男ばかり。
じみーな展開がとてもよい。

強烈な印象を受けたのが
色彩、映像の鮮烈さ。
華やかなモチーフがあるわけではないのに、
色や形が明らかに他の地域とは異なる。
これが北欧の空気か。
何もない田舎の白い雪景色に赤いトラクター、その赤さの特別なこと!
心にさえざえと切り込んでくる色と形だった。

北欧の映画ってどれもこういう感じがある。
イングマル・ベルイマン「ファニーとアレクサンデル」、
ベルイマンの息子の「日曜日のピュ」、
「ロッタちゃん」シリーズ。
光の屈折率が違うのかしらね。
もう一方の極にあるのは、
「青いパパイヤの香り」などのアジアの映像だろうか。