塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

さすらいのススキノ、貧乏ビンロウの話

仕事がらみの会合のあと再生したくなったので、なじみの店をわたりあるく。Pが定休日だったので、久方ぶりにGのママのところへ。このあいだお別れ会で「桜んぼの実る頃」を歌ったのよ、という話題から、ママのお友達の話へ。50代のT大とTJ大を出た学識あるご夫婦が、老後はパリでとフランス語をマスターし、すてきなアパルトマンに住むことを決めて、向こうに行ったが、一時帰国した折、ご主人はげっそり痩せ、ふたりとも疲弊していたとか。「フランス語が聞こえてこないんだ」と、語っていたという。友達もあんまりできなかったらしい。向こうでなにかしたいことはなかったの、道ばたで歌うとか、書道を教えるとか、と聞くとそういうものはないらしい。でもまだ向こうでがんばっているみたい。うーむ、なんのために?? 先日若い女性でフランスに行ってビョーキになる人びとのことが話題になっていたが、若い人だけではないんですね。


わたしも、今ちょっとおうちでフランス語を齧ろうとしていますが、フランスに行きたいとはつゆ思わない。レヴィナスイリヤって何、ウ゛ィサージュ(顔)の語感が知りたい、文法の違いと感じ方の違い、時間の感覚の違いの関係がなんとなくわかればいいな、とかその程度でやっているのでした。そういう点で「「星の王子さま」をフランス語で読む (ちくま学芸文庫)」はおもしろかった。それと最近すごくいい感じの初心者向けCD付きテキストを見つけた。 POMME VERTEシリーズ「Le Roi Arthur et les Chevaliers de la Table Rondeアーサー王と円卓の騎士」
http://fr.search.yahoo.com/search?p=Le+Roi+Arthur+et+les+Chevaliers+de+la+Table+Ronde+pomme+verte&ei=UTF-8&fr=fp-pull-web-t-2&vst=0&vs=www.blackcat-cideb.com
丸善で見つけたのだが、絵がきれいで(なかにラファエル前派の絵も)、中の朗読の声も美しい。人物がしゃべるところはお芝居仕立てで人がかわる。音楽もよく、シャピトゥル(章)ごとに簡単な問題がついていて、「コマン・エスコン・ドゥウ゛ィアン・シュヴァリエ? 騎士になるには?」などというコラムもあってとても愉しい!


あ、話がずれた。さて、2、3杯飲んだところで、TのJUNJIさんのところに行く。なぜかママも一緒に行く。ママは営業中にも関わらず、お店のドアに「ここにいます」張り紙をして、二人で出かけた。愉快愉快。ヤミィさんたちと出たきり、年が明けてから出かけていなかったわたしは、JUNJIさんとも、久しぶり。もう少しちょくちょく来るように言われた。ママは台湾のアミ族のところにホームステイ(って合わないね。)したとき、ビンロウを噛みっぱなしだった話を。アミ族のおばあさんに、「貧乏ビンロウになっては駄目」と言われたという。「貧乏ビンロウ」とはのべつ幕なしビンロウを噛んでいる人のこと。ビンロウはお祝いなど特別なときに噛むべきものという。噛んでも泥酔いするだけだそうだ。さすがのJUNJIさんも超行動派のママの話の勢いには押され気味。きのうはわたしは暴れん坊役ではなくよい子の聞き役でした。品よく2杯飲んで帰った。JUNJIさんは、今年の後半に石川県のイベント(国民文化祭? なんだろうそれ??)に演奏に行くということだ。ドラマーです。