塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

メゾン・ド・ヒミコ

メゾン・ド・ヒミコ」が届いたので見る。オダギリジョーはおそろしく美しく(旬ですね)、微妙な情感を出していて、とても魅力的だったが、やはり、田中泯の存在(肉体)が圧倒的。ただ静かに歩くだけでもGを感じさせる。横たわったときの手の動き(といつてもほとんど動かさないが)さえすごい。表情も、これもあまり動かしたりはしないのだが、とても美しく、田中泯がいなければ、この作品は成り立たなかったのだなと思った。ゲイの住人達もみないとおしく描かれていた。脇役の西島秀俊は、なまなましい役をたんたんと演じてリアルだ。アンフェアでもそうだったが、見ていておもしろい役者さんだ。雨や海辺の空気の感じがよく伝わった。メゾン・ド・ヒミコ内の部屋の色彩や装飾があざやかで、どこかキッチュなかわいらしさもあった。細野晴臣の音楽と、テーマのドビュッシー「わが母のおしえたまいし歌」はとてもよかった。ドビュッシー田中泯の崇高なまでのたたずまいによく合っていた。