塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

トム・ウェイツって

どうしてこんな声なんだろう。

ウィキペディアより。この曲「Waltzing Matilda」松竹谷清さんが日本語でカバーして、日糧パンのCMソングになってた記憶がある。いい曲。

タイトルから連想されるような「ワルツを踊るマチルダという女性」という内容ではなく、放浪者が羊泥棒を働いて、追いつめられて自殺するというストーリーの歌である。そもそもこの曲は、ワルツ特有の三拍子ではない。

ワルチングはワルツとは関係なく、当てもなくさまよい歩くという意味である。マチルダというのは放浪者が持ち歩くズダ袋で、食料や必需品を詰め、夜には枕にもなるといった唯一の財産である。

歌詞についてはいろいろバリエーションがあるが、その一つの大意は以下の通り。

ある日、陽気なスワッグマン(Swagman, オーストラリア英語で放浪者の意)がビラボン(同じく三日月湖や大きな水たまり、沼の意)のそばにキャンプすると、羊が水を飲みにやって来た。どこかの農場主の持ち物である羊に違いないが、スワッグマンはそんなことは気にせずに、マチルダの中に押し込んで捕まえた。そして、その肉を茹でて食べ、残りをマチルダにしまい込んだ。そして彼は歌う。「マチルダで来るだろう、一緒にワルチングしようぜ」。

やがて、3人の警官がやって来た。「お前のそのズダ袋の中に、盗んだ羊があるだろう?」。スワッグマンは「お前らなんかに、おめおめ生きているままで捕まってやるもんか」と言って、ビラボンへと跳びこんだ。

そのビラボンのそばを通れば、彼の幽霊の歌声が聞けるかもしれない。「俺と一緒に旅をしないか?」と。