塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

メタ・メッセージ

道具づくし (ハヤカワ文庫NF)けものづくし―真説・動物学大系 (平凡社ライブラリー)「メタ・メッセージ」「メタ・コミュニケーション」など、使い慣れない言葉をよんだり、tatarさんとこのネタ談義*1を見ていたりしたら、別役実のことを思い出した。はまぞうくん*2で出してみると、むかし買った本はみんな文庫になったり出版社・装丁がかわったりしてるんだなー。別役さんの本は小市民の誠実みたいな感じが好きだった。ジョーク満載エンタメ本としても読めるが、その中で、時代について考えているところがよかった。「日々の暮し方」は、「正しいカメの飼い方」「正しい死体の取り扱い方」など、暮らしに役立つ情報満載だ。また、「道具づくし (ハヤカワ文庫NF)」を人にすすめたところ、大変気に入ったと見えて、どこからかなぞの棒を持ってきて、後ろから「にー」と来て「ちょん」とつっつかれた。*3読んだものにしかわからない水面下の交流が持てるのだ。「別役実の当世病気道楽」の「風邪」を媒介としたコミュニケーションのあり方への言及もおもしろい。「たたずまい」や「ためらう」など別役さんがよく使っていた言葉の感触が好きだった。「言い難いもの」を「言い切る」強さのないところが。


別役実の演劇教室 舞台を遊ぶこちらはネタではないが、「別役実の演劇教室 舞台を遊ぶ」は舞台での身体の取り扱いについてや、科白と身体の関係など、具体的に書かれていておもしろかった。

*1:tatarさんとこのネタは、材料が難しすぎてわたしにはわからないことが多いが。

*2:どうしても人間みたい。はまぞうくーんと呼ぶと本を持ってきてくれる。キャラクターになっていないんですか?

*3:「にーちょん」は、この正しい民俗学の本で紹介されている民具の名称である。