メタ・メッセージ
「メタ・メッセージ」「メタ・コミュニケーション」など、使い慣れない言葉をよんだり、tatarさんとこのネタ談義*1を見ていたりしたら、別役実のことを思い出した。はまぞうくん*2で出してみると、むかし買った本はみんな文庫になったり出版社・装丁がかわったりしてるんだなー。別役さんの本は小市民の誠実みたいな感じが好きだった。ジョーク満載エンタメ本としても読めるが、その中で、時代について考えているところがよかった。「日々の暮し方」は、「正しいカメの飼い方」「正しい死体の取り扱い方」など、暮らしに役立つ情報満載だ。また、「道具づくし (ハヤカワ文庫NF)」を人にすすめたところ、大変気に入ったと見えて、どこからかなぞの棒を持ってきて、後ろから「にー」と来て「ちょん」とつっつかれた。*3読んだものにしかわからない水面下の交流が持てるのだ。「別役実の当世病気道楽」の「風邪」を媒介としたコミュニケーションのあり方への言及もおもしろい。「たたずまい」や「ためらう」など別役さんがよく使っていた言葉の感触が好きだった。「言い難いもの」を「言い切る」強さのないところが。
こちらはネタではないが、「別役実の演劇教室 舞台を遊ぶ」は舞台での身体の取り扱いについてや、科白と身体の関係など、具体的に書かれていておもしろかった。