塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

白石加代子「百物語」

http://uhb.jp/event/official/hyaku/hyaku_top.html
金曜日に観劇。ああ、木曜日も行けばよかった。至芸である。早稲田小劇場SCOTで培い、その後長い時間をかけて醸成された身体表現のもの凄さに圧倒された。腰をおとして歩む着物のさばきの美しいこと。浅田次郎で泣くのは癪だったが、「うらぼんえ」では泣かされる。休憩のとき後ろから声をかけられる。なんと、らんちゃんじゃないですか。あーびっくりした。そのうしろにラグのゆみこさん。次の土曜日、風蝕異人街の舞台に出るという。その後、後半二編。「干魚と漏電」では、ローラ・アシュレイのものという衣装のかわいさと異様さ。かろみとグロテスク。「おさる日記」はまた別の、乾いた怖さ。台詞のなかで、おかしくてたまらないものがあった。笑い、壷に嵌る。「百物語」のなかでも人気の作品を揃えたということで、チケット五千円がとても安いものに感じられた。倍でも惜しくないような舞台だった。「天保十二年のシェイクスピア」のなかに、「シェイクスピアはノースペア」という歌詞があったが、まさに、「白石加代子」は「ノースペア」であった。大満足。大満足したため、その日は遅くまで食べて飲んだ。飲み過ぎた?