塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

「ゆれる」

火曜、8:45のを観るということで、鑑賞前に、クスクスで穴子のフライ梅ソースなどを食し、ついでに魚沼(日本酒)などキコシメシたため、少し集中力を欠いてしまった。実際、5回ほど睡魔のため気を失った。(映画が退屈だったというのでは全くない。)にしても、しみじみ思い返すに、大変よい映画でした。過剰な音楽はなく、息詰まるような演技だけが、地層のごとく重ねられていく。香川照之の緻密な頭脳プレー(キネ旬の最優秀助演男優賞かな)とオダギリジョーの純粋な感応。二人の俳優が、この女性監督を絶賛している。刺激的で充実した現場だったということが画面から伝わる。みーはーレベルでは、「メゾン・ド・ヒミコ」に引き続き、オダジョーの色っぽいパンツ(ヒップ)のラインにぐらぐらする。伊武雅刀蟹江敬三は、全然悪くはないのだけれど、あの、父、叔父という、ぜひとももっと「普通」であってほしい役を演ずるには、キャラが立ちすぎていた気がする。ラストの落としどころ、少し甘かったかと思ったが、一緒に観た人と話すうち、いや、あれは甘そうで甘く片付いてはいないのだ、という結論にいたり、それが、さらに評価のポイントを上げた。二重、三重の意味で、「ゆれる」というタイトルが効いている。見終わって、あとからじわじわと効いてくる。田口トモロヲの声が、いつもながら綺麗だった。トモロヲさんは、ほとんどすべての日本映画に出ているのか?? (トモロヲの「鉄男」はこわいですね〜。あんな怖い映像ほかにあるかしらん。)リピートしたい映画でした。緻密な演技を楽しみたい人、人間関係の微妙な描写を味わいたい人には、満足できる作品。とりふね超推薦。
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