塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

「マリー・アントワネット」と「それでもボクはやってない」

先々週両方観ました。マリーの方は↓にイズミ様がまとめてくださった印象とほぼ同じ。ガーリーでキュート、色彩や構成の美しい画面を楽しみました。20〜30代の女子にはいろいろと感じる部分があるのではないかな。散漫な印象というのも同感です。わたしは食事をし、少しアルコールも飲んでからレイトショーで観たので、よけい集中力を欠いていたかもしれない。ちょっとダレました。フランスが舞台なので、merciとregardez以外全編ほとんど英語だったのは、アメリカ映画だから仕方がないんだけれど、感じがでなかった…。キルステン・ダンストは健康な女子が一生懸命生きてるというけなげさを出していましたね。(ヴァージン・スーサイズのときの印象の凄まじさにはどうしても負けるけど)そういう点でソフィア・コッポラの意図はしっかり表現されていたんだと思う。マリーが自堕落な生活をするあたりは、ちょっと気持が悪くなった。まあ、それだけ表現に力があったのでしょう。
一方、「それでもボクはやってない」は最初から最後まで一瞬たりともダレさせる事のない緻密な作りで、実におもしろかった。社会的なメッセージを貫きながら、あれだけエンタテインメント性も保っているのはすごい!! 画面の細部まで神経が行き届き、見せる。キャスティングもすべてすばらしい。役所広司はまちがいなく、もたいまさこは泣かせる。濃ゆーい役の本田博太郎がすごい。加瀬亮のリアルさ。裁判官役の正名僕蔵さんもよかった!! 裁判傍聴オタクの役でオーディションに来たのを、周防監督が裁判官役に抜擢したとの事で、大成功ですね。大当たり!絶対観るべしの一作でした。
裁判のシーンを見ていると、聖書の
「あなたたちの中で罪を犯したことのないものから、この女に石を投げなさい」
などという言葉を思い出したりして。
さー次は「どろろ」と「蟲師」だ。


マリー・アントワネット」と言えば、先月こんなの買った。

「ベルサイユのばら」で学ぶフランス語

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