ここ半月 澁澤龍彦 幻想美術館など
- 映画「夕凪の街 桜の国」は原作よりもおそろしい感じはなかったが、原作を丁寧になぞっていてよかった。麻生久美子が美しく悲しかった。
芸術の森、「澁澤龍彦 幻想美術館」はよかった。内外の興味深い作品や、澁澤と友人たちの写真などを興味深く見た。おりにふれ見たり聞いたりしたものが多く、とても懐かしい気持になった。亡父(澁澤とほぼ同じ年)が澁澤龍彦が好きで書棚にあった「エロスの解剖」は、わたしの中学生時代の大事な教科書だった。それに道をつけられ、高校になって、サドの「悪徳の栄え」やバタイユの「マダム・エドワルダ」など読んだ。後者の文庫本の表紙は金子國義。金子の絵は、加藤和彦のアルバムジャケットでも親しんだ。詩人多田智満子に興味を持ったのも、「エロスの解剖」に紹介されていたのが初めだ。二十代以降は彼の本への興味は薄れたが、やはりシュルレアリスムなどいろいろなものを知る扉となっていた。展示ではまず、大好きな武井武雄や初山滋の童画があったのに驚いた。大好きなクレーもモローもあった。スワーンベリの絵がおもしろかった。昔、澁澤と関係なく書店で見つけて写真集を買ったベルナール・フォコンの写真もあった。写真細江英公の写真が優しく被写体(友人たち)をとらえていてよかった。父がなくなったとき何冊かその頃買った澁澤の単行本があった。遺作の「高丘親王航海記」も(未読)。その原稿や自筆の地図が展示され、晩年の様子が記されていて、悲しい気持になった。享年59歳は若い。図録と澁澤龍彦事典を買った。
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