塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

Fireflyともののあはれ 村上春樹

Blind Willow, Sleeping Woman

Blind Willow, Sleeping Woman

Haruki短編集ぼちぼち読み進む。
今日はFireflyを読んだ。フィリップ・ガブリエル訳。
「蛍」としては未読なのでこれが初。映画「ノルウェイの森」を観に行く前に読めてよかった。これがノルウェイの森のコアだとよくわかる。
「彼女の手紙」のところで、「僕」はterrible sadnessに捉えられるが、読んでいるこちらがその記述の前にそれと同じ気分になっている。かなしい、おそろしくかなしくさびしい。少し前に読んだインタビュー集に村上自身が「もののあはれ」に触れた部分があったが、Tony Takitaniにしても、村上作品の中心に「もののあはれ」があったのだと感じる。源氏物語からその流れが続いている純粋な血統、血脈としての「もののあはれ」がそこにある。生と死は別のものではない、というさびしく透明な認識。Void。
夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです