Fireflyともののあはれ 村上春樹
- 作者: Haruki Murakami
- 出版社/メーカー: Vintage
- 発売日: 2007/07/05
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今日はFireflyを読んだ。フィリップ・ガブリエル訳。
「蛍」としては未読なのでこれが初。映画「ノルウェイの森」を観に行く前に読めてよかった。これがノルウェイの森のコアだとよくわかる。
「彼女の手紙」のところで、「僕」はterrible sadnessに捉えられるが、読んでいるこちらがその記述の前にそれと同じ気分になっている。かなしい、おそろしくかなしくさびしい。少し前に読んだインタビュー集に村上自身が「もののあはれ」に触れた部分があったが、Tony Takitaniにしても、村上作品の中心に「もののあはれ」があったのだと感じる。源氏物語からその流れが続いている純粋な血統、血脈としての「もののあはれ」がそこにある。生と死は別のものではない、というさびしく透明な認識。Void。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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