塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

メモ

生き延びるためのラカン (ちくま文庫)

生き延びるためのラカン (ちくま文庫)

 いま精神分析を語ることに意味があるとすれば、それは第一に「こころと情報は対立する」ということを、はっきりと主張するためだ。こころは情報化できないし、メディア論では語れない。そして僕らは心を持ち、言葉を語り、転移によって関係を持つことができる存在なのだ。
 言葉といい、転移といい、人間のこころってやつはどういうわけか、「情報」を伝えあうためには、ひどく効率の悪いシステムになっている。感情や知識が光ファイバーみたいな回路でさくさく伝えられたら超便利なのにね。でも、その便利さにはどんな意味があるのだろう。

まんま漱石の「こころ」ですね。漱石ラカンで読むのは古くからあるみたいですが。
宮澤賢治貝の火」が扱われていておもしろかったな。ラカンで読むと切れすぎるだろって感じもしますが。「貝の火」も宮澤賢治らしい「ひどい」話でとても好きです。