塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

宮城谷昌光「史記の風景」

史記の風景 (新潮文庫)
面白かったのだが、情報量が多くて、頭に入りきらないよう。
呪我頭蒙昧而昏。
宮城谷さんの頭の中はどうなっているのかなぁ。
いつ?どこ?だれ?で頭が大混乱。
史記」や「国語」「春秋左氏伝」など原典にあたりつつ読みたくなる。
(学校でやったのはほんのはしっこだものね。
「ぐやぐやなんじをいかにせん」ってか。
絶対劉邦より項羽の方が好きだった。)
また、「天空の舟」を再読したくもなった。天空の舟〈上〉小説 伊尹伝


好きだったフレーズをひとつメモ。


p212~213「開戦直前の光景」
鄭の大夫、姚句耳(ようこうじ)が大臣の子駟(しし)に
楚軍はどうかときかれて答える。以下「春秋左氏伝」より。


その行くこと速やかにして険を過ぐるに整わず。
速やかなればすなわち志を失い、
整わざれば列を失う。
はた何を以て戦わん。
楚懼らく用いるべからざるなり。
(楚の行軍は速いが、険しい地形を進む場合、
隊列が整っていない。
速ければ思考を失い、軍が整わなければ列を失う。
そういう軍に戦いができようか。
楚はおそらく信用すべきではありますまい。)


いい。すごくいい。ある人々にもきかせたい。