塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

信頼できる書き手

東京ファイティングキッズ悪人正機 (新潮文庫)
きのう、職場のひとから「悪人正機」をプレゼントしてもらい、さらに帰りに「東京ファイティングキッズ」を買ってきて、昨日から二冊かわりばんこに「そうよ、そうなのよ~」と膝をたたきながら、溜飲さげまくりで読んでいる。
特に「東京ファイティングキッズ」は読み終わる前から、もう、つよーくお薦めします。何冊か買って周囲にばらまこうかと思うほどであります。



自分が信頼できる書き手の本は、使う言葉が違っても、やはりどこかこれ同じことを言ってるよね、というところが多い。自分が信頼できる書き手というのは、わたしのことばで言えば、「あ、この人はいい人だ」と感じられる人たちだ。なんだかぼんやりした言い方ですけど。内容が自分にとっては難解で、「わかってるのかな~自分」というような「あたまぼ」(あたまぼんやり)状態の場合でも、いい人かどうかの区別はできるのだ。中沢新一さんとか網野善彦先生とか吉本隆明さんとか今村仁司先生とか、最近知ることになった内田樹先生とかね。


で、いい人じゃないと感じると読むのがつらくなる。うまくどこが悪いって言えないけど、この人はなんか違うって思う。たとえば哲学の本を書いている池×晶×という女の人。この人の本はだめだった。ケンケンしていて、ただ攻撃的で、それでいて大事なとこに触っていない感じ。「脅し」の姿勢だ。言い過ぎかな。どこかに「脅し」のにおいがしたんだね。それで、そういう身振りは、そういう内容について話そうとする人がしてはいけない身振りなんじゃないか。


それから、これは買う気もあまりないけど、日本語ブームの斎藤なにがし。あの人は身体の話をするけれど、あの人の声自体にまるで身体的な魅力が感じられないの。だからいうことがみんなマニュアルとウソに聞こえる。