「妖怪大談義」その他
腰を落ち着けて書く暇がないのでメモ程度に。
時間が経ってしまったが、京極夏彦の対談集を読んだ。京極堂さんの本を買うのははじめて。興味深い箇所多数。(嗚呼、付箋をしておけばよかった。)対談の相手も中沢新一、養老孟司、そして水木しげる大先生と、皆妖怪じみたところのあるヒトばかり。最後の方、民俗学の小松和彦氏、歴史学者の西山克氏との対談が掲載されていたが、同じ妖怪を対象とするのでも、そういう世界にぎくしゃくした感じがあることが伝わった。方法がちがってうまくひとつにはまとまらないものなんだなあ。その点、水木さんはじめ、京極さんや、荒俣さんとアート系の人は自由に純粋に対象に向きあえるのだ。
「エンピツは魔法の杖」は、自分だったら絶対買っていなかった本(この邦題からして絶対買わんよなー)。ある人に、ちょっとはモーレツに仕事をするのを休んで、こーゆーぶっ飛んだ話でもしましょうよってなつもりで「アースダイバー」をプレゼントしたら、この本がお返しにやってきた。(贈り主はこの本を読んでいないらしいが。)帯を見ると、わたしの嫌いな「感動もの」っぽいアオリ文句が書いてあり、どひゃー困ったなとおそるおそるページを繰ると、これが思いの外。児童文学など書いている作家が、移民の街の小学校でクリエイティブ・ライティングを教えるという実録もの。小学校に赴任したとたん、これを本にしようと思う作家のスタンスはちょっと気に入らないが、多国籍、多言語、さまざまな環境の子どもたちが書いた物語の断片が魅力的だ。ときどきおそろしく神話的なのだ。まだ前半なので何とも言えないが、子どもたちと彼らの背負っているもの、彼らから生まれる物語の関係に目がいく。
アーサー・ビナードさんの「日本語ぽこりぽこり」。これもまだ途中だが、いやなんだか日本語使用者としては恥ずかしくなったりもします。あまりの知識不足に。ビナードさんの、過去現在の戦争の仕組みに対する鋭い言葉におおと頷く。小熊秀雄の童話集に興味津々。