塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

「マンゴーのいた場所」ウェンディ・マス 金原瑞人訳

マンゴーのいた場所若い人に薦められて読む。13歳の少女ミアは、8歳の学校での出来事以来、自分ひとりの秘密にしていた「共感覚」を親にカムアウトする。数字に色が見えて、数学の勉強に支障が出てきたのだ。専門医との出会いにより自分の感覚が直すべき「病」ではないと知るが…。


祖父との別れ。猫マンゴーのいる生活。親友、父母、異性など、子ども時代の人間関係が思春期のそれへ変化してゆくさま。「普通である」ことと「普通でない」こと。喪失の痛み。


文字や音から色を見る「共感覚」の描写が(知識としてはあったが)興味深い。
http://www1.coralnet.or.jp/nobuyosi/syn/links.html
ミアがホームドクターからセラピストに回されたシーンでは、セラピストのマニュアル的な誘導尋問に笑った。弟のザックがかなり超越したキャラクターでいい味を出している。(ザッカリーってザカリア、洗礼者ヨハネのお父さんの名前ね。)10代前半の女の子にはいろいろなところで共感できる一冊でしょう。宮崎駿のアニメの原作にいいかも。犬猫の好きな人にもぐっとくると思う。わたしは毛の生えたものは(嫌いなわけではないが)あまり愛玩しないので、そこまで入り込みはしなかった。


エルフギフト〈下〉裏切りの剣 (ポプラ・ウイング・ブックス)エルフギフト〈上〉復讐のちかい (ポプラ・ウイング・ブックス)コララインとボタンの魔女金原瑞人さん(ひとみパパ)の訳書はたくさんは読んでいないが、「コララインとボタンの魔女」(微妙にホラー、不思議な怖さでお薦め)「エルフ・ギフト」(血なまぐさくどろどろでかなり色っぽいところもあるファンタジー)が好きだった。サトクリフも訳してるんだなー。アレックス・シアラ−はずいぶん人気があるみたいですね。
http://www.kanehara.jp/list/index.htm