塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

子どもの本

りんご畑のマーティン・ピピン

りんご畑のマーティン・ピピン Martin Pippin in the Apple Orchard エリナー・ファージョン作 石井桃子訳 岩波書店 「夢」のテーマの回で『ひなぎく野のマーティン・ピピン』"Martin Pippin in the Daisy Field"の「エルシー・ピドック夢で縄とびをする」を…

なめとこ山の熊

なめとこ山の熊 宮澤賢治 中沢新一のカイエ・ソバージュのシリーズや『緑の資本論』を読んでからは、すっかり≪対称性人類学≫っぽいフォーマットが頭に刷り込まれてしまい、そんな読み方しか出来なくなってしまいました。 というわけで宮沢賢治の『なめとこ山…

ムーミン谷の冬 〜通過儀礼としての冬の目覚め トーベ・ヤンソン 山室静訳 講談社

ムーミン谷の冬 (ムーミン童話全集 5)作者: トーベ・ヤンソン,Tove Jansson,山室静出版社/メーカー: 講談社発売日: 1990/10/22メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 27回この商品を含むブログ (17件) を見る彫刻家の娘作者: トーベ・ヤンソン,Tove Jansson,…

ウォルト・ディズニーの約束

土曜、H2ギャラリー最終日だったので、ちょっと顔を出したあと、ト・オンカフェでいつもおいしいココナツカレーを食べ、気になっていた映画に。 「メリー・ポピンズ」映画の楽曲はすばらしいとは思うが、基本メアリ・ポピンズは原作派なので、エマ・トンプソ…

シュトルーデルを焼きながら

先日ぷぅライヴ打ち上げでダルシマの小松崎さんとお話したとき話題にした本について、2000年に自分で書いたものがあったので、こちらに載せておきます。 シュトルーデルはサウンド・オヴ・ミュージックのmy favorite thingsの中にも出てくるのですが、この曲…

大朗読会

3歳のちびすけを一晩預かる仕儀になる。リクエストされるままに14日15日と読みきかせまくる。エロール・ル・カインの「アーサー王の剣」は未だお気に入りナンバーワンで、これを数回、酒井駒子の「ぼく、おかあさんのこと…」これが次にお気に入りで、(ちび…

今日買った本は

むしのうんこ作者: 角正美雪,伊丹市昆虫館出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2005/03/01メディア: 大型本 クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見る男女(オスメス)の怪作者: 養老孟司,阿川佐和子出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2006/06/15メディア: …

金曜日の砂糖ちゃん Le Sucre de Vendredi

金曜日の砂糖ちゃん (Luna Park Books)作者: 酒井駒子出版社/メーカー: 偕成社発売日: 2003/10/01メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 130回この商品を含むブログ (90件) を見る立ち読みして、かねて気にかかっていた本だったが、やっと注文にふみきり、そ…

つきとうばん

春から続いていた頭痛。わりと近くにある脳神経外科で先月と今月MRI・MRAを初体験。初回の検査のとき血管が怪しかったので、先週二回目の検査を受けた。結局現在のところ異常なしだったのだが(頭のしくみはね。たんに頭が悪いだけでした。)、一度目の検査…

中沢新一「芸術人類学」 ロアルド・ダール「THE WITCHES」

芸術人類学作者: 中沢新一出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2006/03/23メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 28回この商品を含むブログ (63件) を見る頼んでいた本が届いた。選書メチエの対称性人類学の仕事の続き。休みで読めるかな。ぱらぱらめくると新…

ロアルド・ダール「Esio trot」(訳して「んさ めか」?)と「Matilda」(「マチルダは小さな大天才」)

Esio Trot (Puffin Fiction)作者: Roald Dahl,Quentin Blake出版社/メーカー: Puffin発売日: 2001/04/05メディア: ペーパーバック クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見るMatilda作者: Roald Dahl,Quentin Blake出版社/メーカー: Puffin発売日: 200…

王子さまは草の上につっぷして泣きました

Le Petit Prince作者: Antoine de Saint-Exupéry出版社/メーカー: HMH Books for Young Readers発売日: 2001/09/04メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (2件) を見るとりふね@仏語初学者は、原文をノートに写しながら、ずっとゆっくりゆっくり辞書を…

vouloir-acheter~「だくちる だくちる」

仕事帰り、車に乗せてもらい、駅前でおりたのが運のつき。満月だし。欲しい楽譜があって本屋によったら、すばらしい選択の絵本の平積みが。偉いぞ紀伊國屋さん。一冊買うと後3冊以上買ってしまうのは性癖。散財しました。だくちる だくちる (日本傑作絵本シ…

「つくも神」伊藤遊 ポプラ社

以前「鬼の橋」や「えんの松原」を楽しんで読んだが、この「つくも神」については、ちょっと自分の期待とはちがったな。友人関係が微妙な小学生の女の子、ちょっと悪くなりかけの中学生のお兄ちゃん、マンションの人間関係に疲れ気味のお母さん、と今日的な…

「マンゴーのいた場所」ウェンディ・マス 金原瑞人訳

若い人に薦められて読む。13歳の少女ミアは、8歳の学校での出来事以来、自分ひとりの秘密にしていた「共感覚」を親にカムアウトする。数字に色が見えて、数学の勉強に支障が出てきたのだ。専門医との出会いにより自分の感覚が直すべき「病」ではないと知るが…

ハリー・クラーク絵 荒俣宏訳 アンデルセン童話集

注文していたアンデルセン童話集が届いた。ハリー・クラークの絵が目当てだ。小学生から中学生にかけての愛読書に(多分親の持っていた新潮かどこかの文学全集の中の)エドガー・アラン・ポーの作品集があった。「アッシャー家の崩壊」「モルグ街の殺人」グ…

H・C・アンデルセン「夜鳴きうぐいす」(ナイチンゲール)

人魚姫 アンデルセン童話集 (2)作者: アンデルセン,エドマンド・デュラック,荒俣宏出版社/メーカー: 新書館発売日: 1993/12/20メディア: 大型本購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (2件) を見るアンデルセンのお話の中でも特にお気に入りの物語を…

訃報 長新太さん

今日はじめて亡くなったのを知った。絵本界の巨星落つ。ナンセンスというよりアナーキーとでもいうべき作風がとても好きだが、作品をほとんどもっていないことに気づいた。工藤直子さんの物語に挿絵を提供している「ともだちは海のにおい」くらいだ。「おし…

新書館「大航海」→「アンデルセン童話集」のいろいろな画家たち

http://www.shinshokan.co.jp/daikoukai/dai-index.html tatarさんが紹介していらしたので、新書館の「大航海」を買ってみた。まだ記事を読んでいないが、中沢新一と斎藤孝が並ぶのは、ほんとに合点がゆかないわ。意味がわからないわ。斎藤孝氏の声やしゃべ…

「ちびくろ・さんぼ」

5月15日朝日新聞の「ベストセラー快読」で「ちびくろ・さんぼ」の復刊が話題になっていた。まとめのところでは、復刊された本にかつての絶版問題、論争への言及がなかったことが指摘され、「なつかしい」だけでいいんだろうか、という疑問が投げかけられてい…

アンデルセン好きにはとても残念なNHKアニメ「雪の女王」

http://www3.nhk.or.jp/anime/snowqueen/ 美しいアンデルセンの作品がこんな絵になってしまうのは、本当に残念。なんだか絵柄が安っぽくて…。(もっと厳しく言えば、最悪。あの作品が、子供たちの中にこの絵で定着してしまうのが、とても嫌です。)NHKのセン…

「ムーミンを読む」富原真弓

「彫刻家の娘」やトーベ・ヤンソンコレクションの訳者によるムーミンの読み解き。ちょうどミィの言葉を話題にしていた直後、借りてくる機会があった。(いつも読書の小さな流れはこんなふうに続いていく、不思議だ。)はじめのうちは、物語をなぞっているだ…

ミィの言葉、訂正とおわび

先日コメント欄に書いたちびのミィの言葉ですが、わたしの記憶の中で、二つの言葉がミクストアップしていました。今日、本で確認してみたら、ちょっと間違っていたので、お詫びして訂正します。 「たたかうってことをおぼえないうちは、あんたには自分の顔は…

「魔法のオレンジの木 ハイチの民話」

ダイアン・ウォルクスタイン採話 清水真砂子訳 岩波書店 この本では、ただ民話が並べられているのではありません。どんな語り手によって、どんな状況で語られたか、とか、そのお話に関わるハイチの習俗などが、添えられているのです。それによって、ひとつひ…

「アーサー王の剣」

エロール・ル・カインの本を初めて手に入れたのはずいぶんと昔。「いばら姫」の英語版であった。「アーサー王の剣」はおととし?大丸に絵本原画展が来たときに購入したもの。色彩の音楽のような美しさと、形のおもしろさにはひきつけられる。話によってタッチ…

「ケルトの白馬」ローズマリー・サトクリフ

だいぶん前に読んだもののご紹介。 イケニの族長の息子、ルブリン・デュ。征服者の血の混じる先住民の血による褐色の肌と黒髪を持って生まれた。5歳の夏、つばめの舞う姿を見たルブリンの心の中で何かが「その形をつかまえろ!」と叫んだ。★妹が生まれたその…

「魂をはこぶ船」プロイスラー

まず題名がすてきです。 「大どろぼうホッツェンプロッツ」「クラバート」の作者 プロイスラーがあらたに語るドイツの幽霊譚。ドイツの森や墓地のぞっとするような暗さの中に どこかユーモラスなところがあり、たのしく読めます。 首切りの刑で死んだ追いは…

チョコレート工場の秘密

しばたさんの店 http://blog.shibata-koumuten.com/index.php?p=272 に、ティム・バートン&ジョニー・デップ 「チョコレート工場の秘密」ロアルド・ダール原作の最新情報。 やったー。予告編をみようと思ったけど クイックタイムがプラグインがどうとかで開…

「九月姫とウグイス」モーム 武井武雄

サマセット・モームの物語に 武井武雄大先生が絵を描いた、忘れ得ぬ一冊。 妹が買ってもらったものだったが とても気に入り、大人になってから自分でも購入。 九月姫とウグイス (岩波の子どもの本) 末の姫様がウグイスが帰ってくるように 毎夜窓を開けていた…

ロバート・マックロスキー「ゆかいなホーマーくん」

小学校低学年の頃だったか、叔父がプレゼントしてくれた。 ふるきよきアメリカのかおり。 でもホーマーくんの名前の由来は、偉大なギリシャの詩人ホメロス。 アメリカの田舎町のささやかながらも偉大な叙事詩といったところか。 この物語、印象的な部分はど…