塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

ロアルド・ダール「Esio trot」(訳して「んさ めか」?)と「Matilda」(「マチルダは小さな大天才」)

Esio Trot (Puffin Fiction)

Esio Trot (Puffin Fiction)

Matilda

Matilda

片付けねばならない用事を明日に控え、集中力なし。家ですべき仕事も持っているが、する気にならない。(最優先なのは終わらせたけど。)ボックスで買って放っておいたロアルド・ダールの「Esio Trot」を読む。「チャーリーとチョコレート工場」を含め、このボックスはすべてクェンティン・ブレイクのイラスト。シャカシャカしたタッチが魅力。本をボックスにおさめると背表紙がグラデーションになり、全体の色もかわいい。「Esio Trot」はマンションの上下に住むリタイヤしたMr Hoppyと中年のかわいい未亡人Mrs Silverのお話。未亡人に愛を告白できないおじさんが、彼女のペットのTortoiseを使って、知恵を絞り、アタックをかけ、最後にはめでたしめでたしの他愛ないお話。亀を次々取り替えて行くあたりが子どもには愉快だろうが、大人としては、ロアルド・ダールにひねりを期待していたため、ちょっとあっけない。実はシルバーさんもホピィさんに気があったとか、ホピィさんが、ペットショッブからものすごい数の亀を買った時点でトラブル発生とか、そういうのが欲しかった。あんまりあっさりしていたので、映画にもなっている(未見)「Matilda」を読み始める。こちらは、「チャーリーとチョコレート工場」に負けず劣らずbitterでuglyで、読み応えがある。(まだ前半だけど。)主人公のbrilliantなMatildaと、その賢さに目もくれない俗悪なMr&Mrs Wormwoodの対比が戯画的に強烈。両親の俗悪さややかましさ(音は暴力というのを思い出す)や不正にがまんできなくなったマチルダが仕掛けるお仕置きも、そりゃちょっと度が過ぎている、というほど強烈。ブレイクの描くマチルダの顔がinnocentなだけに、さらに。この、ある種の乾いた「酷さ(むごさ)」は、イギリス独特のものなのかな…。
担任のMiss Honeyの静かな優しさと、彼女の子どもたちへのアドバイス(…behave yourselves in her presence. Never argue with her. Never answer her back. Always do as she says. If you get on the wrong side of Miss Trunchbull she can liquidize you like a carrot in a kitchen blender.)を見ると、この後出てくるHeadmistress Miss Trunchbull(なんか、名前からしてすごい)の恐ろしさがすでに迫ってくるようだ。特にリクィダイズって言葉がこわいですね…。はじめてみました。「ばか」とか「インチキ」とか「だます」とか「まぬけ」とか「ひどい」とか「おそろしい」いう言葉がかなり豊富に出てきて勉強になります(でもすぐ忘れます)。
http://www.roalddahl.com/
http://www.quentinblake.com/
映画館で見なかった「チャーリーとチョコレート工場」のDVDがもうすぐ来る。