「九月姫とウグイス」モーム 武井武雄
サマセット・モームの物語に
武井武雄大先生が絵を描いた、忘れ得ぬ一冊。
妹が買ってもらったものだったが
とても気に入り、大人になってから自分でも購入。
九月姫とウグイス (岩波の子どもの本)
末の姫様がウグイスが帰ってくるように
毎夜窓を開けていたため
美しくなったというエピソードが好き。
翻って姉姫様たちの恐ろしいほどの醜女ぶり。
武井武雄大先生の絵筆が冴える。
絵本というより美術本の感ある、美麗な作品。
武井武雄に初めて遭ったのは
至光社「こどものせかい」の扉絵。
毎月繰り広げられるサーカスのような
不思議な絵の数々にひきつけられた。
武井武雄大先生は
子どもの本の王国の王様。
あるいは子どもの本界のダ・ヴィンチ。
緻密かつ奔放な絵筆と技法は
私たちを自在の世界に解き放つ。
一昨年ころだったか
新日曜美術館でも紹介された
限定頒布の本の様々な技法には圧倒された。