塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

「九月姫とウグイス」モーム 武井武雄

サマセット・モームの物語に
武井武雄大先生が絵を描いた、忘れ得ぬ一冊。
妹が買ってもらったものだったが
とても気に入り、大人になってから自分でも購入。
九月姫とウグイス (岩波の子どもの本)


末の姫様がウグイスが帰ってくるように
毎夜窓を開けていたため
美しくなったというエピソードが好き。
翻って姉姫様たちの恐ろしいほどの醜女ぶり。
武井武雄大先生の絵筆が冴える。
絵本というより美術本の感ある、美麗な作品。


武井武雄に初めて遭ったのは
至光社「こどものせかい」の扉絵。
毎月繰り広げられるサーカスのような
不思議な絵の数々にひきつけられた。


武井武雄大先生は
子どもの本の王国の王様。
あるいは子どもの本界のダ・ヴィンチ
緻密かつ奔放な絵筆と技法は
私たちを自在の世界に解き放つ。
一昨年ころだったか
新日曜美術館でも紹介された
限定頒布の本の様々な技法には圧倒された。


ラムラム王
絵だけではなく
お話もまた自在。
「ラムラム王」「あるき太郎」など
あらたに出版されたものも、おすすめだ。