「教えること、裏切られること 師弟関係の本質」山折哲雄
教えること、裏切られること―師弟関係の本質 (講談社現代新書)
- 作者: 山折哲雄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/05
- メディア: 新書
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買って何年も読まずに二階の奥に眠っていたのを、引っ張り出して読んだ。興味ある人が沢山出てきて読みやすかった。夏目漱石と和辻哲郎だの、柳田国男と折口信夫だの、棟方志功だの、正岡子規と高浜虚子だの。どの章もぱっきり結論づけないというか、ほとんどあったことだけ??みたいなところが、もぞっとするが、それがこの筆者の品のよいとこかもね。弟子持つ不幸、父なる師への恋心(和辻が漱石ラヴとは知らなかったです)、知らぬ顔してタイマンはるライヴァル、究極の「師殺し」、師資不相承、どれもワイドショー的な興味半分で読んでしまいました。後半は法然、親鸞を中心に、師資相承の方法について。分割相続か、一子相伝的相続か。キリストとユダ(すべてを受け継ごうとして破滅したもの)、キリストとペテロ(分割相続を選び生き延びたもの)、ブッダとアーナンダの話も出てきておもしろかった。「網野善彦を継ぐ」中沢新一×赤坂憲雄、とか「他者と死者」内田樹とか、いろいろ思い出す。受け継ぐ、受け継がない。引き継ぐ、引き継がない。呑み込んで生かす、呑み込んで殺す。そういうことを考えるのは好きだ。
「網野善彦を継ぐ」→http://www.bk1.co.jp/product/2456091/review/342985
「他者と死者」→http://d.hatena.ne.jp/amenotorifune/20041206#p1
http://d.hatena.ne.jp/amenotorifune/20050129#p2