「ケルト巡り」河合隼雄 ぬらりひょん先生、ケルトをゆく
- 作者: 河合隼雄
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2004/01/30
- メディア: 単行本
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グラストンベリーでの儀式には、「始めます」とか「終わります」といった進行役を務めるリーダーが存在した。「チーフ」と呼ばれているという。そのチーフはどのように選出されたのか訊くと、自然に決まるのだと言う。「どんな人ですか?」と問うと、この人は人の話を聞く才能を持っており、それをみなが評価したのだという。これはとても興味深い話だった。(私も興味深いです@とりふね)
というのは、われわれが考える欧米のチーフやリーダーとは異質だからである。欧米のリーダー像は、まさに「リードする人」であって、「こういうことをやっていこうじゃないか」と方向を示す力があり、決断する力のある人たちだった。ところがドルイドの儀式のチーフは、人の話をよく聞くことのできる人だという。このチーフの職業は、いわゆる実験心理学とは異なるトランス・パーソナルな心理学者のことだった。
私は近くから、このチーフの行動を見ていたのだが、彼の起こした行動といえば、「始めます」と「終わります」のかけ声をかけただけである。あとはほとんどなにもしていない。(善哉。これよこれ。「極意」ですね。@とりふね)ところが、彼がみんなのことをよく聞き、彼がそこにいることが大事なのだという。私は、「日本の神話の中空構造」ということを言っているが、(それは読んだけれど、あんまりおもしろくなかった@とりふね)この場合は中空的なチーフである。リードはしないが、みんなをまとめていく力を持っている。そういうチーフをいただくグループがヨーロッパに出てきているということは、とても興味深い。p105
極意、極意。どうですか、そーぶくん。(と、とつぜん召喚する。召喚魔法。)そーぶくんもニュー・ドルイドのチーフになれそうなんですけど。ぐふふ。
ウィッチ(ワイズ・ウーマン)のところで、精神分析の、意識を通じて無意識に働きかける作業と、ウィッチの、タロットを使って相談者の無意識に触れていく直接的でダイナミック(ときに危険な)な作業が比較されていたのがおもしろかった。自分もタロットは3スーツほど持っている。ライダーズ・タロット(右上の写真)とアクエリアン・タロットと007のタロット。変にいじるのがこわいので、あまり占ったりはしていない。でもカードは見ているだけで飽きない。三越の歌留多館やタロット館のサイトは好きでたまにのぞく。
http://only-you.mitsukoshi.co.jp/tarot/index.asp
書きながら、イタロ・カルヴィーノの「宿命の交わる城」をずっと前に途中まで読んでほおっていたのを思い出した。(思い出してばっかり!!)タロウ(タロット)のスプレッドから物語が展開してゆくものだ。続きを読んでみるかな。でも、あれ、すぐ眠くなるのよね。
- 作者: イタロ・カルヴィーノ,河島英昭
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2004/01/07
- メディア: 文庫
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