塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

重心は外へ

ある本の中からメモ。
「音は重々しさからも重心からも離れてはいない。重心はさらになお低いところ、ピアノの側にあった。ずっと低く、まるで外部にあるかのようだ。エクスタシーとは重心をもたぬことではなく、重心が外部にあることなのだ。」
辞書で。
ecstasy    ec外へ+stansy置く 意識の外へ置くこと(エクスタシーの動詞形ってないんでしょうか。)

すぐにあの日本語にリンクする。
あくがる  本来いるべきところを離れて浮かれ出る。何かにさそわれて魂が肉体から離れる。

物思えば沢の蛍もわが身よりあくがれいづる魂(たま)かとぞみる  和泉式部

あくがるる心はさても山桜散りなんのちや身にかへるべき     
ともすれば月澄む空にあくがるる心のはてを知るよしもがな     西行