塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

塗籠亭日乗

8/11火 船越桂展に行くも休館日。平和の滝。

    午後 『アブサロム、アブサロム!

引用。

言葉とは、 お祖父さんがいうには、人間の秘密の孤独な生活の端々がわずかに表面にあらわれ出たときを捉えて、それが暗黒の中に沈んでしまわないうちに、ときおりほんの一瞬だけ結びあわせるあの貧弱な糸であって、その暗黒の中では魂の叫びは初めから終わりまで聞き入れられることがないのだ。

 
8/12水 仕事4/5完了。
    午後『アブサロム、アブサロム!』読了。    
前半ちびちびずるずる読んでいたが、
最後の100ページ弱を30度の居間で一気読み。
やはりああいう大作は一気に読まないとだめだ。
神無き大地の、血(血縁)と血(人殺し)の物語に錯綜するナラティヴ。大きな岩山のように手ごわい。
日本の近代文学にはこういうのはないよなあ。
臓腑をえぐるようにがんがんくるドチャック感。
フォークナーは、40年近く前に 八月の光 と サンクチュアリ を読んだが、
響きと怒り 未読なので読みたい。
しかし、いったん、未読の 悪霊 にいくか。アブサロムの解説など再読。
    
8/13木 本郷新記念札幌彫刻美術館。船越桂展。記念館の本郷の作品も。
    午後 フロイト『ドフトエフスキーと父親殺し/不気味なもの』。
    
8/14金 午前、課題の仕事はほぼ完了。夕方から雨。
    午後、フロイト『ドフトエフスキーと父親殺し/不気味なもの』読了。
不気味なもの もっとつっこんだ感じを期待したが。ホフマン『砂男』は読みたい。