塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

宮城谷昌光「華栄の丘」

華栄の丘 (文春文庫)
宋の右師、主人公華元の人物造型が、危機にあってもゆったりとしていて、それが作品全体をやわらかく覆っている。宋の君主文公の、華元にかける思いや、華元の家宰と家臣の士仲の、主に対する心の捧げ方が、まっすぐで美しい。宮城谷作品は周囲の人の気持ちを鑿として用い、核になる人物を削り出してゆくところが醍醐味。宋の襄公の夫人王姫のすべてを見抜く恐ろしいほどのつよさも魅力的だ。


和田宏氏の解説で泣かされた。宮城谷氏本人もエッセイで書いていたが、司馬遼太郎氏との(その死の40日前の)一度きりの邂逅のエピソード。おりしもケーブルのヒストリーチャンネルでずっと「司馬遼太郎 街道をゆく」を放送中。