塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

「王家の風日」

王家の風日
宮城谷昌光「王家の風日」読み終わる。ウチダ本やヨシモト本を読んで間があいたためか、「天空の舟」「重耳」「介子推」を読んだときの、集中力やハマり感を得られなかった。作者が中国古代を扱った最初の作品ということもあるのかも。キャラの立ち方がこのあとの作品よりちょっとだけ弱いのか。作者が書きたかった「箕子」のすごさが、もっとババーンと伝わって欲しかった。商の「受王(紂王)」などはなかなか魅力的でしたけれども。ひっかかるのは、やっぱり「ら抜き言葉」が散見すること。


宮城谷作品の一つの魅力は、劇的で壮大なうねり、時間と空間を感じさせながら、いつもラストが、淡々と、飄々と、風のように終わるところ。さぁつぎは「長城のかげ」を読もうかな。でも、「王家の風日」を読んだあとは「太公望」に行った方が混乱しなくてよいかな。でもって、まだ「三国志」はおあずけ。