塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

「ウェブログの心理学」

ウェブログの心理学整腸亭日乗さんが紹介しておられたのを読んで、おもしろそうだなーと買いに行った。(これがまず、ブログの効用なのね。ただし、読みたい買いたい欲望の際限ない増殖を促すという意味では罪とも言えるか。)それにしても、札幌○善は、本探しが遅いよう。フロア間の電話連絡はさっぱり機能していないようだし。検索機を置いてくれた方がはやい。急いでいないときはいいんですけど、今時期、ああいうところで待つのは(コート着ているので)暑いのだ。ずいぶん前の話になるが「シェイクスピア・ハンドブック」はありませんか、と調べてもらったのはよいが、ありませんとのこと、その直後自分で見つけた、ということがあった。本屋さんとしてはどうなんでしょう。

で、本の方ですが、自分の気分や動機と照らし合わせながら、あれこれ考えながらざーっと読んだのだが、ああ、付箋をしておけばよかった…。


ツールの発展については、ほえーと感心しながら読んでいた。これはみんちゃんなどが読むとおもしろいのだろう。ウェブ日記ウェブログを書く心理については、そうそう、そういう感じで書いているわよね、と思いながら読む。薔薇の写真をのっけてみたいな、とか、本の感想を書きたいな、とホームページをやってみたけど、だらしないので、全体の形が整わないでただただ増築を重ねた怪しい屋敷みたいになってしまう。あちこち興味が飛ぶので統一性がない。集中力持久力がないので、なんでもつきつめていけない。掲示板を設けるが、どちらかといえば関心のあることにしか関心がないため、まめに応答できない。話したい本や映画の記憶が曖昧だ。えんげひかさんが「エンピツ」をやってるのを見て試したりするが、まあ、これもかなりゆるゆるだった。で、はてなでブログを書いてみると、いろいろな機能で「あたまぼ」*1が補えるので、昔読んだ本について言及する時も、2階の奥の本棚の上の段の後列から本を取り出さずとも、書き進められるのが愉快だ。本や映画の覚え、感想を書くのも楽だし、その日記に掲示板がくっついたような格好で、たまにコメントをいただくのも愉しい。カテゴリも書いたままに分類されて便利だし、自分の日記内で検索できるし。でも、わたしのことですからいきなりだーっと間があいちゃうかもしれません。熱しやすく冷めやすいタイプ。だからこの本の中で言われていた「バーン・アウト」はないと思う。昔から、読んだ本のおもしろかったところだけでもメモしたい、メモしなきゃと思いつつ実践できなかったわたしには、とてもよいものです。


御馳走帖 (中公文庫)この本でおもしろいと思ったのは、93ページ日記とは何かの問いからはじめているところだ。日本文学は日記の宝庫ですものね。「和泉式部日記 (岩波文庫)」おもしろかったな。「枕草子 (岩波文庫)」だって「新訂 徒然草 (岩波文庫)」だってじゅうぶんに日記的だし。「芭蕉 おくのほそ道―付・曾良旅日記、奥細道菅菰抄 (岩波文庫)」もそう。内田百間の「御馳走帖 (中公文庫)」は愉快なごはん日記。わたしが過去に日記らしい日記をつけたのは小学校の中頃と中学校の中頃だったが、小学校のときの日記には毎日の夕御飯のメニューが書いてある。今見るとかなり質素だ。それから友達とのことや家でのできごとも書いてあるが、おもしろいのは結構映画やテレビについて書いていること。大河ドラマの「樅の木は残った」を一生懸命見ていたらしく、「原田甲斐がどうしたこうした」などと書いてあったり、映画「イースターパレード」を見て、フレッド・アステアジュディ・ガーランドの繰り広げる物語にうっとりしていたりする様子がうかがえて、自分ながらかわいらしい。(続きます。)

*1:とりふね造語、あたまぼんやりの略