塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

「ジャン・コクトー展」北海道立近代美術館

オルフェの遺言 [DVD]横溢する詩人の天才にひたすら圧倒される。遠い未来を感じさせる軽やかさや浮遊感と、古代、原始の暴力的なまでの力強さが、ひとりの詩人から激流のように放出していた。パステル画やペン画、彫刻などの視覚的な作品に詩と音楽が踊っている。


この度はじめて知ったいろいろな興味深いこと。父親は金利生活者、55歳でピストル自殺。谷川俊太郎の詩「ネロ」に出てくる「メゾン=ラフィットの夏」とは、コクトーの生まれた場所と季節だったのか…。エディット・ピアフの死の知らせの衝撃が、詩人自身の死をもたらしたとは。


ちょっとおかしかったのは、コクトーの絵の所々に出てくる上向きの顔(「占星術師」とか「オイディプス王」とか、たくさん)が、みうらじゅんのかえるの自画像にそっくりなこと。じゅん様まさかコクトーからいただき?


コクトーに関わる他の美術家や写真家の作品や、コクトーの写したピカソやモディリアニの写真もあり、すばらしく楽しめる展覧会なのに、GWのさなかにもかかわらず、とてもすいていた。なんだかもったいない。まあ、こちらはゆっくり静かに見られたので得した感じだけれど。

美術展に行ってもできるだけ図録は買わないようにしているのだが(あとでそう何回も見ないし、そのとき見るのが肝心と思って)、今回は買ってしまう。おまけにブローチやマグネットやキーホルダーまで買ってしまって散財した。


映画の上映もあるようだが、時間の都合もあり、今回は見なかった。過去に「美女と野獣」と「オルフェの遺言」くらいはTVで見た記憶がある。小学校から中学にかけて、ユル・ブリンナーが大好きだったため(展示の最後の方にコクトーの書いたユル・ブリンナーの顔があった)、「オルフェの遺言」はチェックしていたのだ。コクトーのDVDボックスも出ているようなので、ちょっとどきどきする。(「テレタビーズ」を注文したばかりなのに…。とほほ。)
http://www.aurora-net.or.jp/art/dokinbi/info/05cocteau.html