塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

聖書カレンダー

ある場所の壁にかかっていた聖書カレンダーの創世記24の文章。ぼんやり眺めていたら不思議な感覚になった。村上春樹の文章を読んでいるのかと思った。

彼女が泉に下りて行き、水がめに水を満たして上がって来ると、 僕は駆け寄り、彼女に向かい合って語りかけた。「水がめの水を少し飲ませてください。」すると彼女は、「どうぞ、お飲みください」と答え、すぐに水がめを下ろして手に抱え、彼に飲ませた。 彼が飲み終わると、彼女は、「らくだにも水をくんで来て、たっぷり飲ませてあげましょう」と言いながら、 すぐにかめの水を水槽に空け、また水をくみに井戸に走って行った。こうして、彼女はすべてのらくだに水をくんでやった。 その間、僕は主がこの旅の目的をかなえてくださるかどうかを知ろうとして、黙って彼女を見つめていた。

つまり、「僕」は「しもべ」と読むべきところを「ぼく」と読んでしまったのです。ああびっくりした。「彼」も「僕」に代えて、全部「ぼく」で読んでみてください。ものすごく村上春樹。しもべはアブラハムの子イサク、娘はリベカで、このことにより二人は結婚することになります。そういえば「ノルウェイの森」映画化されるんですね。(私は未読。)