塗籠日記その弐

とりふねです。ときどき歌います。https://www.youtube.com/user/torifuneameno 堀江敏幸・宮城谷昌光が好きです。

愛護若

積んどいたヴォネガット「国のない男」(遺作)を読みはじめたのだが、昔あんなに好きだった作家の文章がなんだかぴんと来ない。つっかかる。訳が浅倉久志さんじゃないからなのか。(金原瑞人訳。)それともこちらの年齢の問題か。中ほどまで読んでやめてし…

メモ キズキ

「ノルウェイの森」のあと何ということなく折口信夫の「水の女」を読んでいたら、 三 出雲びとのみぬは 神賀詞を唱へた国造の国の出雲では、みぬまの神名である事を知つてもゐた。みぬはとしてゞある。風土記には、二社を登録してゐる。二つながら、現に国造…

ノルウェイの森

気に入った文。 If you're in pitch blackness, all you can do is sit tight until your eyes get used to the dark. 5月の半ばにきたレイコさんからの手紙の中の言葉。映画のキャスティングはどうなったんだろう。小説の中で、ミドリには感情移入した。気…

ノルウェイの森とトーマの心臓

「ノルウェイの森」を途中まで読んでみて(今サナトリウムでレイコさんの長い話のとちゅうで部屋までもどったところあたり)思い出すのが「トーマの心臓」。キズキがトーマでナオコがユリスモールでぼくがオスカーね。または漱石の「こころ」。キズキがKで、…

光の曼陀羅 日本文学論

よみさしが何冊もあるのに安藤礼二の「光の曼陀羅 日本文学論」をつい読み始める。前書きを読んだあとはまんなかの折口信夫のところから。「死者の書」初稿が単行本になる時に編集(組み替え)をほどこされていること。それによって分かりづらくなった点。こ…

チェック「光の曼陀羅」

積ん読購入予定本メモ。光の曼陀羅 日本文学論作者: 安藤礼二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/11/22メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 60回この商品を含むブログ (28件) を見るそういえば、約1年遅れでじゅん様のアウトドア般若心経を購入したが、み…

ダンス・ダンス・ダンス

辞書を使いつつ,めんどくさい時は単語スキップしつつも読み終わった。毎朝地下鉄でほんのちょっとずつ、夜は寝床でほんのちょっとずつ(1ページくらいで、ねちゃう)ゆっくりゆっくり。やはりこれは単行本では未読だったようだ。世界の終わりやノルウェイよ…

ダンス・ダンス・ダンス

このあいだから無理ながら仏語版を買って辞書をひきながら読んでいたが、なにせかなり時間がかかるので、英語版も買ってきて今そちらを読んでいる。こちらは私程度のものでも、わからない単語があってもまあまあ辞書なしで読み進めることができる。ハルキは…

ノーベル文学賞

村上春樹ではなかったのですね。Jean-Marie Gustave Le Clezioだそうです。知らない…。http://www.lemonde.fr/livres/article/2008/10/09/le-nobel-de-litterature-decerne-au-francais-jean-marie-le-clezio_1105151_3260.htmlはじまりの時〈上〉作者: ジャ…

中沢新一 ミクロコスモスI ミクロコスモスII

去年買って積ん読だったのをゆるゆる消化。いろいろな短い文章で読みやすい。「精霊の王」「緑の資本論」「アース・ダイバー」「カイエ・ソバージュ 対称性人類学」などのエッセンスが随所にあり、平易な言葉で語られているのでうれしい。中には、切り抜きで…

折口信夫 いきどほる心

折口信夫――いきどほる心 (再発見 日本の哲学)作者: 木村純二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/05/27メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 8回この商品を含むブログ (9件) を見る読了。いかにも学者さんの論文という、わたしにとっては固い本で草臥れた。…

切羽へ

でもって「切羽へ」を読み終わる。2時間スペシャルドラマかミニシアターでかかっている映画を観ているような感じでした。Dr.コトー診療所スピンオフみたいな。形にならない感情を積み重ねて最後まで静かに持っていくところが巧みなのでしょう。こういうのが…

雨の名前

今日の雨はいい。この時期のこの温度の雨に名前はあるのだろうか。しりたい。所用で出て、おもいのほかもくろんだこともすすんだので、かえりキノによって、たまに一人で映画でもと思ったが、さすがに時間を見ないでいったため、ちょうどいいのがなく断念。…

日照時間は

日照時間はみじかくなりつつあるのに。溜息は下におちる。気分は「人をも身をも」である。そういう気分をまだまだ味わい尽くす気でいる。ガチで「逢う」てはいないのだけれど。我物語すべからましかば。 あるテレビ番組のテキストを読み終えて、さて、つんで…

「狩猟と編み籠」読後

中沢新一の「狩猟と編み籠」を読んだ後(いつものようにぼんやりあたまには未消化だが)に芝居や映画を観たら、頭が狩猟と編み籠になっていた。映画は表現としては若いけれど宗教の構造とそっくりですよ、という本。読みながら坂口安吾の「文学のふるさと」…

重心は外へ

ある本の中からメモ。 「音は重々しさからも重心からも離れてはいない。重心はさらになお低いところ、ピアノの側にあった。ずっと低く、まるで外部にあるかのようだ。エクスタシーとは重心をもたぬことではなく、重心が外部にあることなのだ。」 辞書で。 ec…

こだわり人物伝関連 グールド・折口

理想の教室、3講からなる授業というおもしろい形式の本です。高校生向けということですが、わたしのちっちゃな頭には(高校生じゃないけど)けっこうむずかしいです。バッハ『ゴルトベルク変奏曲』世界・音楽・メディア (理想の教室)作者: 小沼純一出版社/メ…

イカ哲!! 「イカの哲学」

いとうせいこう氏のブログで知って、中沢ヲタなので(このごろ読んでいなかったが)早速買って読み始める。波多野一郎という人が航空隊に入ったときの気持を読むと、なぜかサン・テグジュペリのイメージあり。まだ途中だが、きっと好きな本。 http://ameblo.…

なんだかすごいノヴァーリス

「サイスの弟子たち」を読み終わって、「花粉」に入ったんだけど、なんだかすごいんだ、ノヴァーリス。いったいなんなんだろう。第2巻の「青い花」、第3巻もとりあえず買いたくなっちゃったな。第1巻は小磯君にも奨めてみたい感じ。「青い花」は岩波版とだ…

ずいぶん前に書いたものですが、トーベ・ヤンソン「ムーミン谷の十一月」

あちらから飛んできてくださった方のために貼っておきます。よければお読みください。 〜「不在」の求心力、擬似家族、いかりの効力、そのほかについて(2000.2.6に書いたものです。あのころはまだちょっと脳が動いていたようだ。) ♪1♪ ムーミン童話の最終…

爆笑問題のニッポンの教養 中沢新一

番組の方を見逃したので、本になってよかった。こういう番組は、録画より本の方が、後からあちこち繰ることができてありがたい。情報量が少ないのであっという間に読めるしわかりやすい。このごろは目がつらいので、これくらいがわたしにはよいわ。太田光の…

SWITCH 11月号 オダジョ

ポスターが付くというので、アマゾンではなくて、スウィッチのサイトから直接買ったのが届く。チネチッタのオダジョ。またまたかっこよすぎる。病膏肓に入る。オダジョがフェリーニを好きでとってもうれしい。ポスターはこの表紙とはちょっとちがうのです。S…

とりあえずメモ

最近読んだ本と今読んでる本と。逆立ち日本論 (新潮選書)作者: 養老孟司,内田樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/05/24メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (59件) を見る耳の悦楽―ラフカディオ・ハーンと女たち作者: 西成彦…

ヴォネガット

なんて間が抜けているんだ。ヴォネガットが4月に亡くなったことを、イルコモンズを見ていて今知った。先日話題にしていなかったっけ?? 読みあさったのは20年以上前だ。アメリカって病気だな苦しそうだなと思いながら読んでいた。さようなら、ブルーマンデイ…

大航海 No.63 白川静と知の考古学

http://www.shinshokan.co.jp/daikokai/index_daikokai.html 今日は、ロフトの紀伊國屋でやっと白川静特集の雑誌「大航海」」を手に入れる。ミーハーなんです。ブログで読んでいた内田樹先生の文章を再読したが、同じ文章なのに、雑誌で二段縦書きだと、まあ…

ビロードうさぎの酒井駒子版

ビロードのうさぎ作者: マージェリィ・W.ビアンコ,酒井駒子出版社/メーカー: ブロンズ新社発売日: 2007/04/01メディア: ハードカバー購入: 6人 クリック: 89回この商品を含むブログ (90件) を見るこのところ通販ばかりだったが、先日ひさしぶりに本屋をうろ…

大航海No.63 白川静と知の考古学

買わなきゃー。なんで小○野敦とかが書いているのかなー。やな感じで書いているのかな。 http://www.shinshokan.co.jp/daikokai/index_daikokai.html内田樹氏の記事はご本人のブログに載っている。http://blog.tatsuru.com/2007/06/12_1055.php 曰く「『判断…

メモ

これは買いかな。日高敏隆先生も編者。人はなぜ花を愛でるのか (地球研ライブラリー)作者: 日高敏隆,白幡洋三郎出版社/メーカー: 八坂書房発売日: 2007/04/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (12件) を見る今日の世界ウルルン…

「モードの迷宮」鷲田清一

ファッションについて今一度考えてみたかったのでちょっと古いものだが読んでいる。取りつきやすい文章だ。 すべては欲望。動植物にはそういうむだな欲望はない。人間の欲望はわずらわしく騒々しい。ということをどこかで確認しながら欲望のざわめきにまみれ…

虫えい、菌えい、マコモタケ

Amazonから「虫こぶ入門」が届いたので、ぱらぱら見ていたら、なんと!! せんだってお店でおいしいおいしいとみんなで食べたマコモタケの天ぷら、あのマコモタケが本に載っていたのでどっきり。マコモタケ(ドコモダケじゃないよぅ)は黒穂菌の一種Ustilago e…